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2006年09月26日(火)

やどかりクリニック[シリーズ10] [美容医療界]

4年前、阪神芦屋駅前に「芦屋川××××××」というクリニックができました。
医療レーザー脱毛「全身2年間フリーパス 50万円!」の広告で人気を集めましたが、
数千万円を集めた時点で、「ハガキ1枚」の連絡とともに3年前に閉院しました。
1年で消えてなくなる「やどかりクリニック」です。
クリニック自体がなくなったのですからプリペイドした手術料へは何の保障もありません。

ある日突然、「やどかりクリニック」は開院します!
固定設備投資はゼロ・・・移動可能な器材にしかコストをかけません。
いつでも、突然「閉院」できるわけです。
テナントビルの一角で見た目だけ映える内装をしますが、
肝心な施術や手術をする部屋は、とても医療施設とは言えないものです。
設備投資をしないからコストが安い「商業ビジネス」は、
皆様の大切な身体を扱う「医療」には通用しません。

「やどかりクリニック」は地元医師会には所属せず、健康医療機関の認可を取らない(保険が使えない)施設が
ほとんどです。たとえ申請しても医師会には入会を許可されないと思います。
例えば、芦屋市医師会の場合・・・その入会には医師としての細かな経歴と標榜科に
見合うだけの良識と実績があるかを全会員からチェックされます。入会基準は地区によって異なりますが、芦屋は「良識ある医師を選ぶ」という点では厳しいと思います。

僕の場合は、大学時代の博士論文や形成外科学会認定専門医の実績、
美容外科学会正会員であることの評価を併せ、入会を許可されました。
また、「形成外科」「皮膚科」以外に「美容外科」の標榜を同時に申請しましたが、
芦屋医師会では美容外科の申請は初めてとのことでした。
「商業的な美容外科」は許されないとされ、役員の面接は厳しいものでした・・・
幸いなことに芦屋市医師会の先生方は「美容外科は形成外科の一部である」という、
良識あるコンセンサスをお持ちであったため申請は受理されました。

[シリーズ1/2/8]でもお話ししましたが、芦屋は「見せかけ」や「ニセモノ」を嫌います。
正式なコミュニティーできちんと審査をパスしなければいけません。
「信頼」「安心」「地元密着」「丁寧なカウンセリング」「著名人が通っている」・・・うわべだけの美辞麗句広告の「やどかりクリニック」に、うっかり引きこまれないようにしてください。


Posted by 管理者 at 16時22分

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